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6月14日、渋谷、新宿、池袋の三大副都心を縦断する副都心線が開通した。東京最後の地下鉄とも言われるこの新路線を真っ先に利用しようと、開通日には各駅に大勢の人が集まり、お祭りのような賑わいだった。しかし、今回の開通で直接恩恵を受けない人にとっては、副都心線がいかに便利なのか、あまり実感がわかないかもしれない。
【詳細画像または表】
まずは、基本的な情報をおさらいしよう。
副都心線は東京メトロの9番目の路線。和光市—渋谷駅間を16の駅で結び、池袋、新宿、渋谷の3大副都心を縦断する。和光市—池袋間はすでに運行している有楽町線と有楽町新線の路線を利用。池袋—渋谷間の雑司が谷、西早稲田、東新宿、新宿三丁目、北参道、明治神宮前の7駅が新設された。
池袋—渋谷の所要時間が各駅でJR山手線とほぼ同じ16分。東京メトロの地下区間初の急行利用で、埼京線と同じ11分程度だ。急行は1時間に3〜4本。だいたい3本に1本が急行という割合だ。ちなみに、行き先は上りだと渋谷行のみ。下りだと和光市行、森林公園行、川越市行、志木行、飯能行、小手指行、清瀬行、池袋行がある。
30分の通勤時間が13分に短縮
我が家の最寄駅、 有楽町線の千川駅に副都心線が通るとなると、私だって黙っちゃいられない。しかも、勤務先は新宿三丁目駅と新宿御苑前駅から歩いて5分程度の場所にある。副都心線を利用すれば、新宿三丁目駅まで乗換えなしで通勤できるのだ。
これまでは、千川駅から有楽町線で池袋駅に出て(約4分)、池袋駅から新宿駅まで埼京線に乗り(約6分)、新宿駅から丸ノ内線で新宿御苑前駅に出る(約3分)……というのが通勤コースだった。これだと乗換えで歩く時間などを入れて、千川駅から新宿御苑前駅に行くのに30分はかかっていた。ところが、副都心線を利用すれば、乗換えの煩わしさから開放されたことに加え、千川駅から新宿三丁目駅までの所要時間も13分ほど。そりゃあ、浮かれてしまうのも無理はない。
というわけで、首 からカメラをぶら下げて、開通初日の副都心線に乗り込んだ。張り切って乗車したものの、車内はいたって普通のイメージ。むしろちょっと狭い印象を受ける。
シートはちょっと硬い
茶色のシートは、ちょっと硬い。座り心地が悪いわけではないが、深く腰掛けられない。
スマートなプログラムの重量損失
できたての軌道で途中揺れたりもするかなと心配だったが、とくに大きな揺れはなく順調に進む。ただ、東新宿駅に到着する直前に、ガッタンという音を立てて左右に大きく揺れた。急行電車待ちの退避線に入るためにポイントを渡ったためだ。立っていたら吊り革に手を添えていないと、危険かもしれない。それ以外はとくに大きな揺れもない。各駅への進入時にも、静かにスーッと止まる感じだ。
新しい路線ができた! とはいえ、実際に乗車してみると、とくに何が凄いってわけでもない。張り切っていた分、これにはちょっとがっかりした。
気を取り直して、各駅の紹介へ。まずは、副都心線埼玉県南部と都心部をつなぐ"玄関口"、池� ��。
<池袋駅>
●丸ノ内線とは3分で乗り換え可。有楽町線、JR線、東武東上線、西武池袋線は8分
副都心線の池袋駅は、これまで新線池袋駅として利用されていた駅。西口の少し外れたところにある。副都心線の開通にあわせ、丸ノ内線とホーム階で直結している連絡通路も新たに登場した。改札口を経由せずに乗り換えられるので、急ぎ足でなくても3分あれば十分に乗り換えられる。
有楽町線、JR線、東武東上線、西武池袋線への連絡は、少し余裕を持って8分ほど。乗り換えは多少不便に感じられる。そのため「通過駅になってしまうのではないか」と地元では危惧する声があるそうだ。そこで"通過客"をなんとか引きとめようと、「東武百貨店」は昨年から売り場の改装を行った。来年度中には東京メトロが� �営する駅直結型の商業施設「エチカ」の2号店もオープンする予定だ。
池袋駅⇔雑司が谷駅、3分
<雑司が谷駅>
●都電荒川線雑司か谷駅ではなく、都電荒川線鬼子母神前駅に3分
雑司が谷駅は青竹色が多用され、全体的に爽やかな印象の駅だ。出口は3つあり、1番出口から地上に上がると、いかにも閑静な住宅街といったのどかな風景が広がり、目の前には都電荒川線が走っている。駅名は雑司が谷駅だが、連絡するのは都電荒川線雑司か谷駅ではなく、都電荒川線鬼子母神前駅になる。いったん地上に出ることになるが、出口から3分も歩けば都電荒川線に乗り換えられる。
雑司が谷⇔西早稲田、2分
<西早稲田>
●東西線高田馬場駅まで徒歩10分、JR線と西武新宿線の高田馬場駅まで徒歩15分
ラ減量でパテ·アン
改札口は2カ所で、出口は1〜3のほか、エレベーター専用出口と早稲田大学理工学部内に直結する出口が1カ所ずつ、計5カ所ある。副都心線は雑司が谷—西早稲田で神田川を地下でくぐるため、地下40メートルにググッと下がる。ちなみに副都心線は、この西早稲田駅から北に約350メートルほどの所で東西線と交差する。ステーションカラーは水色だが、これは学生の若々しさをイメージしているものだとか。
西早稲田駅では他路線と接続していないが、高田馬場駅は徒歩圏内。東西線高田馬場駅まで徒歩10分、JR線と西武新宿線の高田馬場駅まで徒歩15分といったところだ。
西早稲田⇔東新宿、8分
<東新宿駅>
●大江戸線への乗換えは、連絡通路を利用し� ��5分ほど
東新宿駅はすでに大江戸線の駅があるが、副都心線の東新宿駅は、大江戸線に直交して、明治通りにピッタリ重なるようにできた。副都心線から大江戸線への乗換えは、連絡通路を利用して5分ほど。エレベーターで乗り換え通路にでることも可能だ。
地下6階が池袋方面の乗り場で、地下5階が渋谷方面の乗り場、地下4階が改札口になっている。副都心線は東京メトロとしては初めて地下で急行運転を行うのだが、この東新宿駅で急行の追い越し待ちを行なう造りになっている。双方向にそれぞれ停車線と通過線を設けると、地上を走る明治通りの幅をはみ出してしまうため、乗り場を上下にしたのだ。
ちなみに開通してから初の平日運行となった16日には、各駅停車の電車が東新宿駅を誤って通過するトラブ� ��もあった。東京メトロによると、同日午後4時40分頃、自動運転の下り電車が東新宿駅に到着する直前に、同駅を通過する急行電車用の線路に進入しようとしているのに運転士が気付き、急停止させたという。しかしすでに電車は駅ホームに入れない位置にいたため、やむを得ず同駅を通過。次の西早稲田駅で乗客を降ろした。
東新宿⇔新宿三丁目、3分
<新宿三丁目>
●丸ノ内線への乗換えは2分、都営新宿線へは5分
クリアゾーンにきび
開通日から2日間、とくに人が多かった駅が新宿三丁目駅と渋谷駅だが、新宿三丁目駅の伊勢丹口では「開業記念一日乗車券」(大人用710円、小児用250円、ともに1万枚限定で1人5セットまで購入可)が販売されたため、前日の午後11時過ぎからポツポツと行列ができ始めた。まだ辺りが薄暗い午前4時頃の時点で、すでに40人ほどが列を成していて、午前4時40分、駅の入り口のシャッターが開いたときに流れ込んだのは400人近くだったとか。午前7時15分から販売されたが、午前8時半にはすでに2000人を超える大行列ができており、最後尾は丸ノ内線の新宿三丁目駅改札付近まで延びていた。この時点で、並ばないようにとのアナウンスがなされたほどだった。「開業記念一日乗車 券」も午前10時には完売した。購入できなかった人も多かったようだ。
新宿南口と東口のデパート群を結ぶ駅地下通路によって、高島屋と伊勢丹、マルイが地下で一直線で結ばれた。雨の日、猛暑の日のショッピングに使えそうだ。
出入り口も、花園神社近くの「出口E1」から、高島屋・東急ハンズのある新宿南口の「出口E-8」まで6カ所もできた。
丸ノ内線への乗換えは2分もあれば十分。都営新宿線へも5分ほどで連絡できる。
新宿三丁目⇔北参道、2分
<北参道>
●代々木駅に徒歩5分
北参道駅が出来たのは、千駄か谷駅からちょっと離れたエリア。明治神宮や新宿御苑、神宮外苑に挟まれ緑が多く、アパレルメーカーやマンションなど住宅が比較的多い閑静な地域だ。駅ができる明治通り周辺は オフィスなどが点在するものの、原宿の商業エリアからも離れていて目立った施設などがない"中間"エリア。山手線、銀座線、半蔵門線各線で渋谷駅と結ばれている原宿、表参道エリアに比べ、アクセスの悪かった千駄か谷周辺エリアにとって、とりわけ副都心線の誕生は朗報だ。
駅は明治通りの直下、原宿警察署〜千駄か谷三丁目西交差点付近に位置する。駅の深さは浅く、約16メートル。
周辺にはJR千駄か谷駅、代々木駅があり、新宿へも徒歩20分弱と、交通面はとても便利。特に代々木駅には近く、徒歩5分程度で行ける。しかし代々木駅との連絡切符はなく、大江戸線と副都心線とを、北参道駅と代々木駅とで乗り継いでも乗継割引きは適用されない。
北参道⇔明治神宮前、2分
<明治神宮前>
●千代田 線まで5分
開通日には副都心線開業記念グッズ販売があるとのことで、駅構内には行列をつくる、鉄道ファンたちの姿があった。
明治神宮前駅では、改札口から5分程度で千代田線との連絡ができる。副都心線は千代田線の下を通るため、改札階は地下4階、ホーム階は地下5階。新宿三丁目駅や渋谷駅と同じように、ホームに吹き抜けを設けている。
明治神宮前⇔渋谷、2分
<渋谷駅>
●半蔵門線、東急田園都市線へは3分、JR線、東急東横線、銀座線、京王井の頭線へは10分
新たに登場した副都心線の駅は、東京メトロではなく東急の管轄。デザインを手がけたのは、世界的な建築家の安藤忠雄氏。"地宙船(地下の宇宙船)"をイメージし、3層の吹き抜け構造になった開放� ��で明るいホームだ。近未来的な造りなのが面白い。
見た目の斬新さに目を奪われがちだが、この吹き抜け構造のおかげで、地下でも自然の風が感じられる。
本来は副都心線の開通に合わせ、東急東横線がつながるはずだったが、用地買収と工事が難航したため開通が2011年に延期された。
半蔵門線、東急田園都市線へは3分もあれば連絡できる。JR線や東急東横線、銀座線、京王井の頭線とは1度地上に出て連絡するため、乗換えには余裕を持って10分は見ておきたいところ。
(文/村部春奈=h14)
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